広告はネットだけで十分?今こそ“紙”を見直しませんか?

SNS広告やリスティング広告など、デジタルマーケティングが主流となった昨今、
「広告はネットだけでいいのでは?」
という声を耳にするようになりました。

しか場合によっては、紙の広告や印刷物のほうが効果が高かったという声も上がっています。
この記事では、デザインの視点から「ネット広告」と「紙の広告」の特性を整理し、どのような広告を選択していくべきなのか、オンラインとオフライン、ネットと紙の広告の違いを考えていきます。

ネット広告の強み:スピードと瞬間的な印象、データ蓄積・活用

インターネット広告の魅力は、スピードとデータに基づく運用です。
配信直後から効果測定が可能で、ターゲットや予算の調整も柔軟に行えます。
また、動画やアニメーションを使った動的なデザイン表現も容易です。

ただし、そのスピード感ゆえに「情報が流れやすい」「印象に残りにくい」という課題もあります。
また、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の調査によると、
「インターネット広告を信頼できる」と回答した人は 21.6% にとどまりまっているとのことです。*1
アンケート回答者の87.9% が「広告が多すぎる」と感じた経験があるとの報告もあるとのこと*2。

動画サイトや記事サイトなど、様々な広告に対して

「内容を見ずに閉じた」
「広告が多くてページを見ること自体もやめてしまった」
「興味のない広告が流れてくる」

と感じた経験もあるのではないでしょうか。

ネット広告は効果測定や拡散性、瞬発力に優れる一方で、印象に残りづらい、場合によってはブランド信頼を損ねてしまうなどのリスクも抱えているようです。
ネット広告でのデザインの役割は、スピードの中で「信頼される印象」「瞬間的に印象に残るヴィジュアル」などが必要になってきます。

紙の広告の強み:触れることで伝わる“温度感・肌感”

一方で、紙の広告が持つ強みは“体験として残る”ことです。

印刷をおこない、それが設置され、顧客の目に届くまでの工程は多く、
確かにネット広告に比べて時間がかかってしまう点は否めません。

ですがそのデメリットを上回るメリットもあるのです。

紙の質感、手に取ったときの感覚、街で目の前で見た印象——
それらの経験はブランドの“リアル”を体験できるチャンスとなります。

ふと立ち寄ったカフェや美術館、スーパー、コンビニ、役所の一角。
チラシやショップカード、ポストカード、フリーペーパーやパンフレットなどが置かれていて、なんとなく手に取ったり、持ち帰った経験はありませんか?
街中でみかけたブランドロゴの入った紙袋がふと目に入り、どこかのお店で同じロゴを見て、頭の中で紐づいた経験はないでしょうか。

普段の生活の中で自然と目に入る、それが紙の広告です。

特に、企業案内・パンフレット・DM・ショップカードといった紙媒体は、信頼感やブランドイメージの構築や印象付けに効果的です。
新聞折込広告を「見た」と回答した人は全国平均で 48.6%、購読者に限れば 76.1% にも上るというデータがあります*3。
さらに、雑誌広告の注目率も 46.4% と、半数近い読者が確実に目を通しているという調査もあります*4。
反復効果もあり、ターゲットが明確という強みもあるようです。
雑誌や新聞自体を見る機会は減少傾向ではあるものの、それを見た人たちにとっては印象に残りやすい媒体と言えるのではないでしょうか。
特に新聞は購読者の多いシニア層には強い影響がありそうです。

紙の広告は“残る”という特性を持っています。
手に取り、持ち帰った人が再度その広告を家で見る、ということも多々あるのです。
動かない静止画だからこそ、人の記憶にゆっくり、強く浸透するのかもしれません。

Web広告が一瞬の印象を競う世界だとすれば、紙の広告は記憶と体験に残る世界
この違いを理解した上で、デザインを考えることが重要です。

オンラインとオフラインをつなごう

けっきょくどちらが優れているんだ?と思われてしまうかもしれません。

「ネットか紙か」どちらかだけを選ぶことではなく、両者をどうつなぐかも重要となります。

たとえば

  • 紙のパンフレットに QRコード を配置し、WebサイトやSNSへ誘導する
  • SNS広告で関心を持ったユーザーに、ブランドブックやカタログ、DMなどを送る
  • イベント配布物とオンライン広告で ビジュアルトーンを統一する

こうした「体験することのできるデザイン」が、そのブランドの印象を強くし、信頼感を育てます。
実際、紙媒体にQRコードを取り入れることで、オンライン誘導と効果測定を両立できる事例も増えてきているようです*5。
クーポンなどと紐づけるとさらに効果が上がりそうですね。

webと紙。デザインは単なる“見た目”ではなく、オンラインとオフラインをつなぐ体験設計そのものなのです。

【まとめ】どのような広告運用が適切かを考えたうえでのデザインが必要

デジタルのスピード
紙の質感・体験感
それぞれに強みがあり、どちらか一方では届かない価値もありますし、分野によって得意とする媒体も存在します。
届けたいターゲットの年齢層にも大きく左右されるでしょう。

広告の本質は「伝えること」。
媒体が何であっても、その中心にあるのは、伝えたい気持ちとデザインです。
ネット広告が当たり前の時代になった今こそ、多方面からのアプローチも考慮し、垣根を超えてブランド体験を設計する時代になったと言えるのではないでしょうか。

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ぜひお気軽にご相談ください。

参考文献・出典

*1 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)「インターネット広告に関するユーザー調査 2025」
https://www.jiaa.org/news/release/20250807_user_chosa

*2 株式会社ネオマーケティング「Web広告に関する意識調査」2024年(PR TIMES掲載

*3 読売IS「新聞折込広告の閲覧率データ」2024年(https://www.yomiuri-is.co.jp/blog/searchdata/a17

*4BIZPA MAG「雑誌広告の注目率調査」2024年(https://bizpa.net/mag/zasshi-effect

*5 Tokubai Biz「紙広告の効果を高めるQRコード活用術」2023年(https://biz-lp.tokubai.co.jp/articles/chirashi-kouka

イラスト素材
loose drawing 様